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パーキンソン病

パーキンソン病とは

パーキンソン病は、脳の異常により、体の動きに障害があらわれる病気です。手足が震える、歩くときに前屈みになって、歩幅が狭く、手の振りがなくなる、バランスがとれないなどの症状が現れ、ゆっくりと進行します。

以前は、寝たきりになる病気と考えられていましたが、現在は効果的な治療薬もあるため、症状をかなりコントロールできるようになりました。そのため、早い段階からきちんと治療を始めることが大切です。

馬場内科クリニック 診察風景

パーキンソン病の代表的な症状

運動症状

運動症状は、パーキンソン病の発症初期からみられる特徴的な症状です。

手足が震える(振戦)

何もしていない時に手足が小刻みに震えます。

動いたり、何かしようとするときには、震えが止まることが多いのが特徴です。

 

動きが鈍くなる(無動・寡動)

動作が全般的にゆっくりになります。

歩く速度が遅くなり、歩幅も狭くなり、腕の振りも小さくなります。

顔面の表情が乏しくなったり、話すときも小声で歯切れがわるくなったりします。

 

筋肉がこわばる(筋強剛・筋固縮)

筋肉に緊張があり、筋肉がこわばり、身体がスムーズに動かなくなります。

歯車のように規則的な動きになる場合を歯車現象、こわばりが続く場合を鉛管(えんかん)現象と呼びます。

 

身体のバランスがとれない(姿勢反射障害)

バランスが崩れたとき、姿勢を立て直すことができず、そのまま転倒しやすくなります。

これは進行すると出てくる症状です。

非運動症状

パーキンソン病では、運動症状の他にもさまざまな非運動症状が見られます。

嚥下障害

自立神経症状(便秘、頻尿、起立性低血圧、発汗、むくみ、冷えなど)

精神・認知の異常(うつ状態、認知症など)

感覚の異常(幻覚・幻想、痛み・しびれ、嗅覚の低下)

睡眠障害(不眠や日中の眠気)

など

パーキンソン病の原因

パーキンソン病は、神経伝達物質である「ドパミン」が減少することで発症します。

ドパミンの量が減る原因は、まだ十分に解明されていません。
パーキンソン病では、不足したドパミンをお薬で補充することにより、症状を軽減することができます。

馬場内科クリニック パーキンソン病 通常
馬場内科クリニック パーキンソン病

パーキンソン病の検査・診断

患者さんから年齢、症状、経過など詳しくお話を伺い、脳神経内科的な診察にて症状を確認します。

また、パーキンソン病に似た症状を示す病気(脳腫瘍、多発性脳梗塞、水頭症など)がないかを確認するために、脳の画像検査を行います。
※画像検査に関しては提携医療機関をご紹介させていただきます。

馬場内科クリニック 診察風景

パーキンソン病の治療

薬物療法

主に、脳内で不足しているドーパミンを補う目的のレボドパ製剤や、ドパミンと似た作用をもたらすドパミンアゴニストなどがあります。これらを治療薬の中心とし、その他、ドパミンの代謝を阻害する薬やドパミンの効果を底上げするような薬の併用も病状を見ながら行います。

これらの薬物治療により、患者さんの多くは、パーキンソン病の症状が改善されます。経過中には薬に対して効果が減弱したり、副作用がでることもあるため、経過に合わせて各種薬剤を変更しながら症状緩和を図ります。

運動療法(リハビリテーション)

パーキンソン病は初期から薬物療法と運動療法(リハビリテーション)を組み合わせることで、症状のさらなる改善が期待でき、生活に支障のない状態を長く保つことができます。リハビリテーションを行う上では、きちんと薬を服用して体を動かしやすい状態にしておくことも必要です。

パーキンソン病の患者さんは、意欲の低下や身体を動かしづらいため運動不足になりやすく、身体機能の低下を生じやすいです。パーキンソン病と診断されても、日常生活の様々な動作を続け、できる範囲で身の回りのことを行うようにしましょう。それが症状の維持・改善に有効です。

また、体操やウォーキングなど、適度な運動を続けることも大切です。

手術

脳深部刺激術(DBS)

脳の特定の部位に細い電極を挿入し、電気刺激することによりパーキンソン病の症状を改善させます。

​当クリニックではDBSの管理をおこなっております。

馬場内科クリニック 脳深部刺激術

日常生活の工夫・注意点

ちょっとした工夫をすることでよりよい日常生活が過ごしやすくなります。

以下は一例ですが、患者さんの病状や日常生活に合わせてアドバイスいたします。

 

住まいの工夫

転倒を防止しましょう。

  • 段差をなくす

  • 引き戸にする

  • 手すりを取り付ける(玄関、寝室、浴室、トイレなど)

など

 

寝具の工夫

使い心地や安全性に配慮し選ぶようにしましょう。

  • ベッドに柵をつける

  • 適したベッドの高さにする

  • 電動ベッドの導入

など

 

着替え

脱着のしやすいものを選ぶようにしましょう。

  • 伸縮性のある素材

  • 袖を通しやすい前開きの服

  • 転倒防止のため、着替えはいすやベッドに腰かけて行う

など

食事の工夫

誤嚥をに気を付けましょう。(パーキンソン病に食事制限はありません)

  • 正しい姿勢で食事する

  • 握りやすい箸やスプーン、フォークを使用する

  • テーブルの高さを調整する

など

 

トイレの工夫

便秘・頻尿に注意しましょう。

  • 便秘予防のため、食物繊維の多い食品や発酵食品などの摂取、水分摂取を心がける

  • 規則正しい排便習慣をつける

  • 安全なトイレ環境をつくる(洋式、手すりを付ける、すべり止めマットなど)

など

 

入浴の工夫

浴室の安全対策を施しましょう。

  • すべり止めマットを敷く

  • シャワーチェアーを利用する

  • 脱衣場にもいすを置く

  • 脱衣所にも暖房器具を設置し、浴室と脱衣場との寒暖差をなくす

  • 入浴は、身体の動かしやすい時間に行う

  • 必要に応じて介護サービスを利用する

など

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